前回では弦高調整のおおまかな流れを説明したが、今回は本題の「ネック(トラスロッド)調整」を説明しよう。
ギターのネック内部にはトラスロッドという金属の棒が仕込んであり、それを回す事によってネックの反りを調整できる。
ネックの反りのチェック方法だが、チューニングされた状態では弦がまっすぐなので、それを利用してチェックすることをオススメする。
方法は、まずは1弦の2フレットと最終フレットを両手でそれぞれ押さえて、その真ん中あたりの弦とフレットに隙間が空いているか確認する。
(なぜ1フレットからではないかというと、1フレットはギターの構造上他のフレットより高めになっているため)
この隙間がはがき1枚分ぐらい空いているのであれば問題ないが、目視で判断するのは難しいので、左手で2フレット、右手の小指で最終フレットを押さえて12フレットを右手人差し指でタッピングして、音が出るか確認してみよう。
音が出るようであれば順反り気味なのだが、ほんの少し音が出る程度なら問題ない。しっかりとサスティンが長いタッピング音が出る場合はトラスロッドを逆反りする方向に回して反り具合を調整すると弦高を下げる事が出来る。
このチェック時にタッピングして音が出ない場合は逆反りである。
逆反りでは弦高は低いが1~5フレットあたりのローポジションでビリつきが出るので、ビリつきの出ない程度にトラスロッドを順反り方向に回そう。
トラスロッドを適切に調整する事で、本来なら十分に弦高を下げる事が出来るので、まずは15°ずつぐらい回して慎重に作業しよう。
一気に回すとネックが割れてしまう可能性もあるので、あくまでも自己責任で、自信が無ければリペアマンに調整してもらおう。(城石)